今回は圧迫骨折についてお話をしていきたいと思います。
転倒などをきっかけに圧迫骨折になってしまった方もいれば、とくにきっかけがなく、いわゆる「いつのまにか骨折」とも言われる骨折です。
「圧迫骨折は安静にしちょくしかないよ」「安静にしてもダメなら手術やね」などと言われ、どうしたらいいか不安でお悩みの方は、このブログを最後までお読みください。
圧迫骨折とは
ここでいう圧迫骨折とは、脊柱を構成する胸椎や腰椎の椎体が圧潰してしまう骨折のことです。
若年者の外傷などによるものもありますが、ほとんどが高齢者に発症する骨粗しょう症によるもので、とくに女性に多い骨折です。
脊柱の中でも下位胸椎から上位腰椎にかけてが好発部位となります。
圧迫骨折について理解していく上で骨粗しょう症について知っておくことも大切です。骨粗しょう症とは簡単に言うと「骨がもろくなってしまって骨折しやすい状態」です。
骨は常に古い骨を壊しながら、新しい骨を作っています。加齢や女性ホルモンの影響で新しい骨を作るサイクルが低下し、骨を壊す量のほうが多くなってしまいます。
その結果、骨梁と呼ばれる骨を支える構造が弱くなってしまい骨折しやすい状態になるのです。
レントゲンで骨密度を検査した結果、若い人と比較して70%以下の状態を骨粗しょう症と定義されています。日本では50歳以上女性の24%(861万人)、男性の4%(96万人)が骨粗しょう症になっていると推定されています。
70歳以上では30%の方に圧迫骨折が確認されているという報告もあり、高齢者に多い骨折のひとつとなります。
圧迫骨折の原因
加齢や女性ホルモンの影響で骨粗しょう症になり、骨がもろくなってしまっている状態でなにかしらの外力が働いたときに圧迫骨折を起こしてしまうことがほとんどです。なかには特に外力も加わらず自然と骨折してしまってものもあります。
圧迫骨折を起こす原因として多いものは、
①尻もちをついた
②重たい物を持った
③くしゃみをした
④長時間中腰での作業(畑作業など)
などがあります。
圧迫骨折の症状
[急性期症状]
上記のようにはっきりと発生機序がある場合に、腰や背中に強い痛みが起きます。前かがみや体を捻るような動作に痛みが強く出ます。寝返りや仰向けで寝ることができなくなることもあります。
また、骨折部位を軽く叩くと痛みが誘発されるのが特徴です(叩打痛)。
[慢性期症状]
急性期が過ぎると強い痛みは徐々に落ち着いていきます。通常、つぶれた椎体がそのまま固まってしまうため背中が後ろに湾曲して変形してしまいます(後弯変形)。複数の椎体がつぶれてしまった場合は身長が低くなったり、背すじを伸ばせなくなります。
つぶれた椎体が脊髄や馬尾神経を圧迫してしまうと下肢のしびれや痛みなどの神経症状がでることもあります(破裂骨折による遅発性神経麻痺)。
一般的な施術法
大きく分けて手術をしない「保存療法」と手術を行う「外科的療法」があります。
[保存療法]
一般的に圧迫骨折に対しては「安静と疼痛コントロール」が原則となります。圧迫骨折と判明したらできるだけ安静を保つことと、前かがみ・お辞儀の動作を禁止するように指導されます。
痛み止めの処方と同時に骨粗しょう症への対策も行われていきます。骨を強くする目的でカルシウムの摂取、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを処方されることもあります。
さらに、その人に体に合ったコルセットを製作し、2〜3週間ほど着用し脊柱の負担を減らします。多くは2〜3ヶ月で骨癒合が起きると言われていますが、その後も痛みが残る場合は手術の適応になります。
[外科的療法]
手術の方法として、つぶれてしまった骨の周りを強化するために金属のボルトを入れる方法や、最近ではBKP(Balloon Kyphoplasty:バルーン カイフォプラスティ)と呼ばれる新しい手術の方法もあります。
BKPとは簡単に言うとつぶれてしまった椎体をバルーンで膨らませ、そこにできた空洞に専用のセメントを流し込み固定するという方法です。
この方法は早期の退院が可能になるというメリットがありますが、全身麻酔が必要になります。高齢者の場合は、全身麻酔による合併症の可能性もあるので術後のリハビリや退院後の生活なども含めて手術が必要がどうかを判断していくことが大事になります。
骨盤王国での施術法
圧迫骨折で骨盤王国に来店される方のほとんどが、圧迫骨折がわかってから安静にしていて、「骨もくっついちょるのに痛みが取れない…」という悩みを抱えています。
骨盤王国では、圧迫骨折後の痛みがいち早く取れていくように施術を行っていきます。そのために大切になってくるのことは、圧迫骨折している胸椎や腰椎だけでなく、全身の検査を行なっていくことです。
それは圧迫骨折があったとしても、痛みの原因が骨折している部分以外にあると考えているからです。
たしかに脊柱の椎体がつぶれてしまっていると、その周り筋肉や靭帯は硬くなってしまいます。しかし、とくに痛みもなく、尻もちをついたりしたことのない人でも調べてみると圧迫骨折がみつかったというケースがあるのも事実です。
圧迫骨折があっても痛みがある人とそうじゃない人がいます。その違いは、圧迫骨折以外に骨盤の歪みや体のバランスが崩れたことにより、腰にかかる負担が増えているということです。
骨盤の歪みや体のバランスの崩れは、圧迫骨折よりも以前からあるものかもしれません。もしくは、圧迫骨折したことをかばって歪んでいるのかもいれませんし、入院生活やコルセットの使用で筋力が低下したことが原因かもしれません。
圧迫骨折後の長引く痛みを解決していくには、この原因をしっかりと見つけだし、痛みのあるところだけでなく、全身を施術していくことが大切なのです。
最後に
圧迫骨折はとても女性に多い骨折です。女性ホルモンのバランスが崩れていると腰痛以外にも体に不調が表れやすいものです。しかし、仕事や家事でなかなかゆっくりと休めない方も多いではないでしょうか?
痛みを我慢しながら体を動かした結果、つぶれてしまった椎体の上下の椎体に圧迫骨折が起きてしまうことも珍しくありません。圧迫骨折が多発すると背骨の変形も進行し、姿勢も丸くなってしまいます。
そうなってしまう前に、長引く圧迫骨折後の痛みでお悩みの方は一番に骨盤王国小倉店にお越しください。